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レトロで新しい。新時代のドット絵まとめ

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はじめに

新作ゲームでドット絵を使おうかなと思ったので、 レトロなピクセルアートだけど実は新しい技術を使っている作品を紹介しつつ、
新時代のドット絵ともいえるような映像表現手法を体系化したので、以下にまとめる。
 
 
まとめるにあたり・・・ コンピュータゲーム黎明期のドット絵の進化版とは解像度や色数が増えたドット絵ではない。 つまり「ファミコンのドット絵の進化はスーパーファミコンではない!」という考えを前提とする。
 
 
 
我々は、ドット絵に高解像度のそれとは別のかっこ良さを感じていたはずなのだ!
 
 
 
 
 
 

概念1 「グロー」

 
グロー(Glow)とは、強い輝きで光が溢れるような効果のこと。
 
我々がインベーダーゲームをやっている時に見ているドット絵は、 ピクセルパーフェクトに視覚に届いているわけじゃない。 初期の黒背景ベースのファミコンアーケードゲームではドット絵のまわりが ぼわーんと光って眼球に見えている。
これを再現するとレトロクールな印象の画面になる。 グローを効果的に使っているゲームとしてはPuppy Gamesの作品が挙げられる。
 
 
HexAgeの作品も、単純なシェイプながらグローが美しいので参考になる。
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なお、グロー効果はPhotoshopだと加工に一手間必要(ガウスぼかし→加算合成)だが、 After Effectだと一発でできるらしい。
 
 
 
 
 

概念2 「スキャンライン」

昔のゲームを写していたブラウン管ディスプレイは、電子を後ろから前に1点に向けて飛ばして発光させ、 それを画面全体に対して高速でおこなうという走査線方式だった。
そのためゲームのデータには無いが、眼球にはこのスキャンラインが見えていた。
 
現在主流の液晶やELには無いので、自力で再現するとクールだ。
 
クリップボード01.png Puppy GamesのTitan Attacks。背景に注目
 
 
なお、スキャンラインを実現するには最低でも元のデータの2倍のサイズが必要。
 
 
 
 
 

概念3 「1ドットの表現の拡張」

普通ドット絵は1ドット/1ドット。と思いきやそのルールを破るのがこれだ。
 
0.25ドット分ハイライトを入れることで、ピクセルに硬質感や立体感を与える。
グラデーションのみ1ドットより細かくし、ライティングを表現する。
 
1ドットより細かくドットを動かしたり、回転を使うことでよりなめらかなドット絵アニメを実現する。
 
などなど。
 
クリップボード012.png
またまたPuppy GamesのTitan Attacks
照り返しやライティングは1ドットの表現を拡張しているし、回転などドットは自由に動かしている。
 
 
 
 
1ドットの表現の拡張は、高解像度時代へ正統進化したピクセルアートといえる。
スーパーファミコン的なものとは別の進化系統であることは間違いないだろう。
 
 
 
 
 
 
 

概念4 「3D」

ピクセルアートの雰囲気を壊さず、うまく3Dを活用する手法。 トゥーンシェーディングのように影を自動でつけることは難しく、 影なしのベタ塗りポリゴンやテクスチャポリゴンで固定的に作る。
 
 
 
Team Gaijinの"Bit.Trip"シリーズでは3Dを有効に活用している。

BIT.TRIP RUNNER - YouTube
 
 
 
 
また2Dピクセルアートを3Dの不思議空間ゲームにした"Fez"は有名。

FEZ - PAX East 2011: XBLA Gameplay (2011 ...
 
 
 
 
 
モデリングが必要なため敷居は高く、単色のため逆にデザインセンスが必要。
 
 
 
 
 
 
◆まとめ
かっこいいね。ハイデフによるローデフ表現。
 
 
あと、ゲームではないが、新しい映像表現を模索したボーカロイド曲の映像作品 "コンピュータ・オーヴァチュア"も必見。絵作りの実践講座もある。
 
mt.ptさん
 
 
 
 
色々書いたけど、みんなただ単純に ファミコンカセットをフーフーしてた、あの日の続きを模索しているのだなぁ。
 
 
 
 

 
 
 
おまけ ドット絵スペースくま
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